マイコプラズマ肺炎の原因と対策、漢方薬などでの治療法
マイコプラズマ肺炎の原因と対策、マイコプラズマ肺炎の漢方薬などでの改善法を
漢方薬剤師が解説します。

◆マイコプラズマ肺炎とは
肺の中では、気管支が枝分かれを繰り返していて、その末端に、肺胞と呼ばれる小さな袋が多数存在しています。肺胞では、空気中から取り入れた酸素と、血液中の二酸化炭素を交換するガス交換が行われています。この肺胞が、細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病態を肺炎といいます。
肺炎を引き起こす主な病原体として、肺炎球菌や、マイコプラズマなどの細菌、インフルエンザウイルスや水痘ウイルスなどのウイルスがあります。このうち、マイコプラズマによって引き起こされる肺炎が、マイコプラズマ肺炎です。 咳や痰が長引く場合があります。

◆マイコプラズマ肺炎の原因
マイコプラズマは、飛沫感染により口や鼻から肺の中へ侵入することで感染します。飛沫感染とは、マイコプラズマに感染している人の咳やくしゃみを通してマイコプラズマが体内に侵入し感染してしまうことです。
通常のウイルスや細菌は、高齢者や疾患のある患者など免疫力の弱い人の方が感染や重症化しやすくなります。一方、マイコプラズマはある程度免疫力の強い人の方が感染しやすく、症状もひどくなります。
マイコプラズマ自身の感染力はそれほど強くありません。
しかし、マイコプラズマが体内に侵入すると、異物として認識され、免疫機能により、肺の内部に白血球や抗体が集まることで、肺に炎症が起き、肺炎となるのです。そのため、マイコプラズマは、幼児から青年に最も多いといわれています。

◆マイコプラズマ肺炎で気をつけること
マイコプラズマ肺炎の初期症状は、発熱と咳、全身倦怠感で、風邪とよく似ています。マイコプラズマに特徴的な症状は、発熱が3-4日と長く続くことと、咳が徐々に悪化していくことですが、症状だけではマイコプラズマによる感染と判断することは困難です。そこで、血液検査により、血液中のマイコプラズマ抗体を測定し、感染の有無を調べます。
マイコプラズマは、そのほかの細菌と異なり、細胞壁をもっていないため、使用できる抗菌薬が限られています。マクロライド系の抗菌薬が第一選択薬として使用されますが、近年では、抗菌薬に耐性をもったマイコプラズマも存在しています。そのため、感染予防が最も重要です。

◆マイコプラズマ肺炎と漢方薬
マイコプラズマ肺炎による長引く咳に対して漢方が有効です。咳に対する漢方には様々な種類があるため、症状や病態によって使い分けます。 麦門冬湯がよく使われます。
比較的体力があり、痰のない乾いた咳が出る場合、肺の熱や水分を取り除くことで咳を抑える漢方薬を使います。
体力は中くらい以下で、乾いた激しい咳が出る場合は、体を潤し、のどの乾燥を防ぐことで咳を抑える漢方薬もあります。
体力が少なく、痰がらみの咳が出る場合は、胃腸の働きを助け体力を増進し、痰を除去する漢方薬を使用します。
いずれにしてもマクロライド系の抗生物質と、肺の免疫を上げ、潤いをもたらす漢方薬の併用することで早期にマイコプラズマ肺炎は治ります。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
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■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
