陰部のかゆみの陰部掻痒症の原因、対策、かゆみ止め、漢方薬治療
陰部のかゆみの陰部掻痒症の原因とかゆみ止めと対策と皮膚が弱っているから
蒸れてかゆみがある場合の漢方薬での治療法を漢方薬剤師が解説します。
◆陰部にかゆみの陰部掻痒(そうよう)症とは
一部の皮膚にかゆみをかんじる限局性皮膚掻痒症の一つで、陰部にかゆみを感じる病気です。限局性皮膚掻痒症のかゆみの感じる部分としては陰部が最も多いとされています。
陰部のかゆみは日中にかゆみに対処することが難しいことから、落ち着けず、ストレスになります。
実際に陰部湿疹や陰部に蕁麻疹などがある場合にかゆみがある場合と
陰部の皮膚症状はなくかゆみだけが存在する場合があります。
かゆみをかいて処理していると、皮膚に傷ができることがあります。その傷から炎症が起こることもあり、皮膚が劣化して弱くなっていきます。傷口から細菌や真菌などの病原菌が入ることから感染症を起こすこともあります。そのようなことを防止するためには、皮膚科や産婦人科を受診してかゆみを取ることが必要です。しかし安易なリンデロン軟膏などステロイド剤の長期の連用は皮膚を劣化していくので注意が必要です。
◆陰部がかゆくなる陰部掻痒症の原因
陰部掻痒症の原因には大きく4つの原因があります。
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陰部の皮膚に原因がある場合
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中枢又は末梢神経系の疾患が原因となっている場合
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精神障害が原因となっている場合
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皮膚以外の他の臓器の病気が原因
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性病等
1に関しては皮膚科で治療可能です。乾燥皮膚、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、皮膚真菌感染症が陰部のかゆみの皮膚科的な原因です。しかしエリケートゾーンなのでステロイド剤などの長期の試用には副作用リスクが高まりますのでご注意ください
2の代表的な病気は多発性硬化症があります。この場合には多発性硬化症の他の症状が先に出ている可能性が高くなっています。そのため、陰部掻痒症以外の症状がない場合には可能性は低くなります。
3に関しては、自律神経失調症や適応障害の症状の一つとして陰部にかゆみがでる場合があります。この場合にはかゆみ止めの薬よりも自律神経失調症の薬や抗不安剤の方が効果を発揮する場合があります。イライラしたら痒くなる。よくありませんか?
4に関してはさまざまな病気が関連します。また、病気の治療に使われている薬剤の副作用として陰部にかゆみが発現する場合があります。
5に関して膣カンジダ、膣トリコモナス、性器ヘルペスなどの性病も考えられます。その際は皮膚科もしくは産婦人科に受診されてください。いずれにしても免疫力を高めることも陰部のかゆみの根本治療になります。男性ならインキンタムシなどの真菌感染や性器ヘルペス、尖圭コンジローマ―などの感染症を疑ってみてください。
◆陰部にかゆみが起きないように保湿と感染症対策が重要に
皮膚の障害の場合には乾燥肌が原因になる事が多いので、保湿が必要となります。
湿疹の場合には赤ちゃんのあせものようにその部分の湿度が高くなって起こっている場合がありますが、大人の場合は乾燥肌が素因にあって接触皮膚炎が起こることもあるので、保湿が優先されます。
しかし陰部は蒸れやすく、皮膚が弱りがちになります。 そのため感染症にかかりやすく、特に真菌症などの感染症の場合はかゆみの原因菌を取り除くことが最重要ですが、真菌は水虫と同じでしつこいので根気が必要です。
◆陰部のかゆみ止め薬での治療に関して
かゆみ止め治療には抗ヒスタミン薬が使われることが多くなっています。可能であれば外用(塗り薬)の抗ヒスタミン薬が望ましいですが、陰部掻痒症の場合にはいつでも薬を塗るわけにも行かないので、内服の抗ヒスタミン薬をお医者さんが処方する場合があります。(薬局でも抗ヒスタミン薬は一部購入可能です)
その場合に注意すべきは抗ヒスタミン薬にはかゆみを止める以外に鎮静作用(眠くなる)が強いものと弱いものがあるということです。お医者さんが処方する場合には、お医者さんと調剤する薬剤師さんから注意があると思いますが、かゆみ止めの内服薬を薬局でこうにゅうする場合には、販売する薬剤師さんに鎮痛作用の強さについてよく効いておくことが大切です。
高齢者の場合には鎮痛作用が強いものを使うと転倒によってけがをする可能性が高いので、寝る前は鎮静作用の強いもの、日中は鎮静作用のないものを使い分ける必要があります。
しかしいずれもかゆみ止めなので根本的治療ではありません。またリンデロンVG軟膏などのステロイドの軟膏が出される場合がありますが副作用のリスクがありますので適正に使用する必要があるでしょう。
◆陰部のかゆみの漢方薬での治療
陰部のかゆみの場合、原因が多岐にわたりますので、まず性病か感染症かどうかを確認する必要があるのでそれ第一選択にされてください。 それでない場合漢方薬で改善することを考えますが、皮膚が弱くて炎症を起こしていますので、女性の場合はまず生理不順など整理系のトラブルを整える必要があります。そしてのち抗炎症系の漢方薬を使います。
アトピーなども持っていたり、皮膚が弱いなどの場合は皮膚の血液循環の改善と再生力と免疫力を増すように、考えて処方します。
漢方薬では精神的なイライラに関する効果を併せ持つものがあるので、精神疾患が関与している場合でもストレスに対する耐性が高くなって、症状が治まる場合があります。
あとは外用としては皮膚の再生力が増すような酵素などを使ったりします。
ヨモギを煎じた入浴剤などでの入浴療法も有効なので、ぜひ陰部にかゆみのある方はされてください。
陰部のかゆみに悩まされている人は、そういう事に詳しい漢方薬剤師などの専門家に相談されてもいいと思います。
中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
■経歴
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■自己紹介
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「中尾さんが本当に親切にしてくれるから感謝している。」 など
良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
■和漢方について
■弊社にお問い合わせくださるお客様へ
初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
患者様に、現在の病院での治療経過を踏まえた上での最適解、最適なご提案をさせて頂いています。 弊社スタッフも成長し、まだ若いですが、しっかり人間的成長もしています。 どうぞご安心してお問い合わせください。 全国から多数のご相談を頂きますのでお待たせすることもあります。 そのため、必ずご予約をお願いいたします。
■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html
■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書
■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。
■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」