腹膜炎、癌性腹膜炎の原因と対策、漢方薬などでの治療法
腹膜炎、癌性腹膜炎の原因と対策、漢方薬などでの治療を漢方薬剤師が解説します。

◆腹膜炎とは
腹膜とは、胃や肝臓、腸などの内臓の表面と、横隔膜、骨盤底などを覆っている薄い半透明の膜のことです。腹膜が臓器を覆っていることで、お腹の中に腹腔と呼ばれる空洞ができます。この空洞のおかげで臓器が円滑に動くことができ、また、外部の衝撃から臓器を守ることもできるのです。
そのほかにも、膜を通して体液の吸収や分泌をおこなったり、腹腔内にある体液が臓器の感染を防いだりする役割もあります。
腹膜に癌をはじめ何らかの原因で炎症が起こる疾患を、腹膜炎といいます。
腹膜炎には、急に症状が現れる急性腹膜炎と、症状がよくなったり悪くなったりを長期的に繰り返す慢性腹膜炎に分類されます。
また、腹膜の一部だけに炎症がある限局性腹膜炎と、腹膜全体が炎症を起こす汎発性腹膜炎と分けることもできます。

◆腹膜炎の原因
腹膜炎が起こる原因は、腹膜が炎症を起こす場合と、他の臓器の炎症が腹膜まで波及する場合があります。
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腹膜が炎症を起こす場合
胃や腸などの消化管に穴が開き、消化液や大便などが腹腔内に漏れると、腹膜を刺激するため炎症が起こります。また、消化液や大便の中に入っている細菌が腹腔内に侵入することで、細菌に感染し、炎症が広がってしまうのです。
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腹腔内の臓器が炎症を起こす場合
胆のう炎や虫垂炎、急性膵炎のほか、子宮外妊娠などの腹腔内の臓器の炎症が腹膜へと及ぶことがあります。また、腹腔内にある臓器が癌に罹患している場合、癌が腹膜に転移し、腹膜炎を起こすことがあります。これを癌性腹膜炎といいます。

◆腹膜炎で気をつけること
急性腹膜炎では、急激なお腹の痛みを感じ、痛みで歩けなくなることもあります。
重症の場合は、放っておくと命にも関わる病気であるため、すぐに受診が必要です。消化管に穴があいている場合は、絶食や抗菌薬の投与を行い、様子を見ていきます。
重症の場合は、手術を行い、腹腔内の菌を取り除きます。
慢性腹膜炎では、急性腹膜炎よりも痛みは強くありませんが、微熱や腹痛がよくなったりひどくなったりを数か月繰り返します。こちらも放っておくと重症化する恐れがあるため、早めの受診が必要となります。

◆腹膜炎と漢方薬
消化管穿孔による腹膜炎では絶食が必要となりますが、症状の緩やかな腹膜炎、特に慢性腹膜炎や癌性腹膜炎には、漢方薬が効果的です。
体内に滞っている水を排出し、水のめぐりを良くすることで、腹膜にある体液の代謝をよくし、腹膜炎を改善する漢方があります。これは、新陳代謝の衰えた虚弱体質の人に用いられます。
そのほかにも様々な種類の漢方が腹膜炎に使用でき、排便に異常がある場合や、神経が衰弱している場合など、体質や状態によって使い分けることができます。
また抗炎症作用が強い漢方薬や、抗がん作用のある漢方生薬などを使っても癌性腹膜炎にも対処できますので、その際は腹膜炎の漢方薬に詳しい専門家にご相談ください。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
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良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
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初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
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■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
