大動脈弁狭窄症の原因、手術治療、漢方薬での治療例
心臓病である大動脈弁狭窄症の原因、手術治療、漢方薬での
治療例と考え方を漢方薬剤師が解説します。

◆大動脈弁狭窄症とは
大動脈弁とは心臓の左心室から大動脈(体に新鮮な血液を供給する動脈)の間にある弁です。心臓が収縮すると心臓から、大動脈に血液が送り出されるように弁は開き、拡張すると、大動脈から左心室へ血液が逆流を防ぐために閉じます。
この大動脈弁の開口部が狭くなる(狭窄)と大動脈に同じ血液量を送り出すための心臓の力が、通常の場合よりも大きくなることが必要になります。
最初のうちは症状がでないことが多くなっています。まず、血液を送り出す力を増やすために心臓の左心室の筋肉が増加し、左心室が大きくなります。
実際の症状は運動時に血液が不足することにより胸の圧迫感を感じます。しばらく休むと回復します。進行すると血圧が急に低下して、運動中に失神することがあります。脳疾患の場合の失神では通常めまいやふらつきの症状が先に出ますが、大動脈弁狭窄症ではそういった症状なしに失神が起こります。

◆大動脈弁狭窄症の三大原因
- 加齢による大動脈弁硬化症
大動脈弁の弁そのものが肥厚、硬化して血液のとおりみちが狭くなっていることが大動脈弁硬化症です。60歳前後から弁の肥厚や硬化が始まりますが、実際に大動脈弁狭窄症を発症するのは70歳以降になります。 - 先天的な弁の異常
生まれたときから大動脈弁に異常がある場合には、幼児期には症状がでることは少ないですが、成長するに従って、心臓も成長し、左心室から大動脈に流れる血液量も増えてくることから、成人になってから、大動脈弁狭窄症の症状がでる場合が多くなっています。小・中・高等学校でも、運動部などで盛んに運動をしている時に失神などの症状がでて、大動脈弁狭窄症が分かる場合があります。 - リウマチ熱
リウマチ熱の名前は関節リウマチと似ていますが、全く別の病気です。リウマチ熱の原因は溶連菌に寄る感染を繰り返すうちに、溶連菌に対する免疫が間違えて、自分の組織に攻撃をして起こるものです。
溶連菌に始めて感染すると「急性扁桃炎」を発症します。高い熱が出て、のどが腫れて食べるものが飲み込むのがつらくなるという症状が代表的なものです。溶連菌による感染は抗生物質を適切に使うと10日ぐらいで回復します。しかし、完全に菌が排除されていない場合に抗生物質の服用を止めてしまうと、再び症状がでてくる可能性が高いのが溶連菌感染の特徴です。再発すると急性腎炎やリウマチ熱を発症する可能性があります。
ウイルスによるかぜも似たような症状がでますが、溶連菌感染の場合は痛みが強く、発疹がでる場合があります。ウイルスによるかぜには抗生物質を使うことは耐性菌を生むことから、避けるべきです。溶連菌感染の場合には合併症の恐れを考えて、しっかりと抗生物質で治療することが大切です。
現在ではリウマチ熱は日本ではほとんどありませんが、抗生物質が不足している地域ではまだまだ多い病気で、大動脈弁狭窄症も多くなっています。

◆大動脈狭窄症の治療
根本的な治療は弁を取り替える手術が治療となります。
症状がでていない場合には、定期的な検診を受けて、過剰な運動を避ける事によって、日常生活を送ることができます。症状があれば手術になりますが、合併症など手術のリスクを検討したりすると手術後の予後で変わると思います。年齢による全身状態が悪ければリスクは上がります。重要なのは心臓以外の各臓器が開心術に耐えうるかどうかの評価です。

◆大動脈弁狭窄症の漢方薬での治療例
直接大動脈弁狭窄症を治す薬は西洋医学を含めてありません。進行を止めるために使われる漢方薬としては可能でしょう。 私の80歳の女性患者さんで、人工透析をしながら大動脈弁狭窄症を持った人の漢方薬の処方を仰せつかりました。 人工透析をされていますので、心臓に負担がかかり、心臓肥大になって大動脈弁狭窄症にかかって、大学病院で手術しかないと言われていた方です。 然し小さいお婆ちゃんなので、手術するほうがリスクが高くなるということと遠方まで行かなくてはいけないという事でだましだまし心臓を使っていくようんに漢方薬を処方しました。
血液をサラサラにし、炎症をしずめ、栄養状態も改善し、心臓を元気にして透析にも耐えられるようにしたら、しっかり元気になってくれました。 なぜ大動脈弁狭窄症のなるのか?
それは血液の汚れと血液粘度だと考えています。 そこの対応と現在の症状をとってあげることです。 心臓の病気で困っている方は漢方薬も1つの手ですので、漢方に詳しい漢方薬剤師などの専門家に相談されてください。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
■経歴
■担当
■自己紹介
■趣味
■尊敬する人
■性格の自己分析
■お客様と話していて、どんな瞬間がうれしい?
「中尾さんが本当に親切にしてくれるから感謝している。」 など
良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
■和漢方について
■弊社にお問い合わせくださるお客様へ
初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
患者様に、現在の病院での治療経過を踏まえた上での最適解、最適なご提案をさせて頂いています。 弊社スタッフも成長し、まだ若いですが、しっかり人間的成長もしています。 どうぞご安心してお問い合わせください。 全国から多数のご相談を頂きますのでお待たせすることもあります。 そのため、必ずご予約をお願いいたします。
■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
