慢性前立腺炎の痛み
残尿感、頻尿、頻尿痛、前立腺の痛みの原因や対策、
漢方薬での対策法を漢方薬剤師が解説します。

◆前立腺炎とは
前立腺炎とは文字通り、前立腺に炎症が起きる病気です。
前立腺の病気としては前立腺肥大がよく知られています。これは年齢により、前立腺が肥大し、尿が出にくいなどの症状を訴えるものですが、致命的なものではありません。
前立腺炎は年齢にはあまり関係がなく、前立腺に炎症が位起き、会陰部(えいんぶ:性器と肛門の間の部分)に痛みを感じる、残尿感、頻尿、頻尿痛など多彩な症状があらわれて、すぐに命に影響はありませんが、社会的生活に影響を与えます。しかし命にかかわることがないので、比較的治療の研究が遅れている分野の病気です。そのため慢性化されている患者さんも多いのではないのでしょうか?前立腺炎の患者さんの訴える症状はさまざまですので、それを聞き取り、検査結果と合わせて治療する必要があります。

◆前立腺炎の原因
前立腺炎は原因によって、4つの分類が行われています。
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急性細菌性前立腺
細菌感染(多くの場合は大腸菌)の感染により、尿に膿が混じる、排尿痛、発熱など顕著な症状を伴う、急性感染症です。放置して重症化すると全身感染症になり、血液中に菌がはびこり、敗血症を起こす可能性があります。ここまで重症化すると命にかかわる可能性があるので、早急な治療が必要です。抗生物質で対応します。 -
慢性細菌性前立腺炎
前立腺に細菌が感染して起こります。症状は急性細菌性前立腺に比べ、軽く、全く症状がでないときがあります。尿路感染症を繰り返す場合には、前立腺も検査したら慢性細菌性前立腺炎がその原因と分かる場合があります。患者さん自身の免疫力の低下が考えられますのでそちらも対策もされてください。 -
慢性前立腺炎
感染はありませんが、骨盤痛や下部尿路症状、場合に酔っては、鼠径部や陰嚢に痛みを感じたり、熱を帯びているように感じたりします。患者さんの症状の訴えはいろいろです。漢方で考えると腎虚と言われます。また血行不良も原因尾可能性あります。 -
無症候性・炎症性前立腺炎
3のような炎症所見があるのに全く無症状の前立腺炎を指します。
診断は問診、直腸診によって判断します。ただし、1の場合には触診により血液に菌が広がったり、敗血症を起こす可能性があるので、注意が必要です。

◆慢性前立腺炎には漢方薬で治療を
前立腺炎のような現代医療で治療法が遅れている分野の症状を軽くするのには漢方薬が力を発揮します。
細菌に感染した前立腺炎では抗菌剤によって、感染を取り除くことが一番となります。しかし、慢性前立腺炎(全体の90%をしめる)の症状を抑えるには漢方薬をし、また生活習慣を改善することによって、徐々に症状が消えて、活動力が向上します。
残尿感をなくす薬としては、薬価収載されているセルニチンポーレンエキスがあります。(これはお医者さんの処方が必要です。)、体力に関係なく使える漢方薬もあります。
にぶい痛みや排尿痛がある場合には体力が中等度以上の人にお勧めの腎虚対策の漢方薬があります。頻尿や尿漏れがあり場合には、体力が中等度以下で、疲れやすく、冷えがある事を改善することによって、頻尿や尿漏れに対して効果がある漢方薬があります。
八味丸や六味丸が代表的です。その他猪苓湯なども併用する場合もあるようです。
しかし、慢性前立腺炎の場合は免疫力の低下と血行不良がありますので、上記の漢方薬では効果は期待できません。
漢方薬の場合にはその人の性質に合わせて症状を取ることから、病気の区別よりも、1人1人の体質に合わせて調合されるものです。そのため漢方薬に詳しい薬剤師などの専門家にご相談されるといいでしょう。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
■経歴
■担当
■自己紹介
■趣味
■尊敬する人
■性格の自己分析
■お客様と話していて、どんな瞬間がうれしい?
「中尾さんが本当に親切にしてくれるから感謝している。」 など
良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
■和漢方について
■弊社にお問い合わせくださるお客様へ
初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
患者様に、現在の病院での治療経過を踏まえた上での最適解、最適なご提案をさせて頂いています。 弊社スタッフも成長し、まだ若いですが、しっかり人間的成長もしています。 どうぞご安心してお問い合わせください。 全国から多数のご相談を頂きますのでお待たせすることもあります。 そのため、必ずご予約をお願いいたします。
■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
