症状

多発性神経症症・ギランバレー症候群の原因と対策、漢方薬などでの治療法

糖尿病だけでなく、原因が不明の多発性神経症炎・ギランバレー症候群などの神経症について
原因と対策、予防法、漢方薬などでの改善法を漢方薬剤師が解説します。


 

多発性神経症炎・ギランバレー症候群とは

 
多発性神経炎とは体中のいろいろなところで同時に末梢(まっしょう)神経に異常が起こっている状態を指します。
 
神経の異常には感覚と筋力のどちらかあるいは両方に障害がでる場合があります。また、突然始まる急性多発性神経炎と数か月から数年かけて少しずつ障害が悪くなってくる慢性多発性神経炎の二つがあります。
 
ウイルスなどの感染症、毒性物質、薬剤、がん、栄養不良、その他の病気が原因になって発症することがあります。有名なギランバレー症候群はウイルスや細菌などの感染で免疫系が刺激されることが原因で、自分の末梢神経組織を免疫が攻撃してしまうことが原因と考えられています。
 
多発性神経症を発症した場合には、特に高齢者の場合に眠れなくなる、外出することがおっくうになるなどから認知症や寝たきりを招く可能性があるので注意が必要です。

 


 

多発性神経症の原因

 
急性多発性神経症は原因が分かるものが多くあります。
 

  •  ・感染症:最近の出す毒素が神経に障害をもたらす。(ジフテリアなど)

  •  ・自己免疫疾患(ギランバレー症候群など))

  •  ・薬物、毒物中毒

  •  ・がん:がんが神経へ直接浸潤したり、圧迫したりことによって障害が出る。

 
慢性多発性神経障害は主に以下の原因で起こる場合がありますが、原因が不明のものもたくさんあります。
 

  •  ・糖尿病 特に眼や太ももの筋力低下がある場合には、糖尿病を疑います。

  •  ・過度の飲酒 アルコールが直接神経障害を起こす場合もありますが、過度の飲酒が原因で栄養不良になる場合が多くなります。

  •  ・ビタミンB12欠乏症:悪性貧血を伴うことがあります。

  •  ・甲状腺の働きが不十分になっているとき

  •  ・重金属の長期摂取(イタイイタイ病などの公害)

  •  ・腎不全

  •  ・ビタミンB6の過剰摂取

  •  ・遺伝性の多発性神経障害:遺伝性ニューロパチー

 


 

多発性神経症の予防

 
急性多発性神経障害に関しては、原因に近づかないことが一番です。特にジフテリアなどの感染症は国内ではまれですが、海外などでジフテリアが流行しているところに行く場合にはワクチンを接種するなどの予防処置をきちんと取ることが大事になります。
 
慢性多発性神経症では、原因となる疾患が進行しないようにすることが大切です。
 
多発性神経症の原因となる病気で一番多いのは糖尿病です。糖尿病の場合には、健康診断などで血糖値やヘモグロビンA1cが高いと指摘されたときに食生活を改善し、運動することによって多発性神経症を予防することができます。
 
過度の飲酒による栄養不良やビタミンB12の不足には普段の食生活に気を遣うことによって、発症を抑えることができます。
 
ビタミンB6は皮膚のタンパク質合成の時に必要な働きをします。腸内細菌叢でもつくられることが知られています。ビタミンB6作用をもつピリドキシン(ビタミンB6としてサプリメントに含まれています)を過剰に取ると多発性神経症を起こすことが知られています。皮膚の美容のためのサプリメントを多用するときには成分がピリドキシンであるかどうかを確認する必要があります。

 


 

漢方による多発性神経症の改善

 
急性多発性神経炎の場合には原因を取り除く必要があるので、その原因のダメージを最小限にするように原因に対しての漢方薬を鳥れるほうがいいでしょう、 特に慢性多発性神経症は糖尿病の合併症としてでる場合が多いですが、必ずしも原因が明らかにならないものもあります。その場合には糖尿病を改善するような漢方薬がいいでしょう、
 
神経炎の場合は炎症なので、抗炎症系の漢方も良く、その他、血液の循環を促進することによって、慢性多発性神経症の症状をやわらげるものがあります。この漢方の場合には冷えのある人とない人で処方が変わります。
 
腎虚を改善することによってしびれや痛みを改善する漢方薬もあります。これは体内の余分な水分を排出し、滋養強壮作用によって改善しますが、尿の出具合で種類を調節する必要があります。
 
いずれにしても、原因を除き、神経細胞の炎症を鎮め、神経を復活させるような栄養療法と漢方薬での治療がお勧めです。

 


中尾 典義(なかお のりよし)

榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。


1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)

■経歴

岡山大学薬学部合成薬品製造学教室卒業後 薬剤師免許取得
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
吉富製薬(株)東京研究所 創薬研究員(現 田辺三菱製薬(株))
退職後 漢方を志し、福岡市の大賀薬局(株)にて漢方調剤を学ぶ
福岡県鞍手郡の相生会宮田病院で病院薬剤師として勤務。
福岡医師漢方研究会や独学、メーカーの勉強会などで漢方を学び
平成7年に福岡県行橋市で漢方薬局を開局
漢方薬や健康食品メーカーなどの講師、学術顧問を引受け
現在、榎屋相談薬舗株式会社 代表取締役 薬剤師
 

■担当

ガンや免疫疾患、腎臓病、回復困難してる慢性病等(予約制)
 

■自己紹介

昭和43年生まれ
行橋市の相談薬局の4代目として生まれる。
現在福岡市在住
漢方処方の研究と実践、製品開発に取り組む。
大学、大学院、製薬会社研究所にて薬の創薬研究をしていました。 研究者として論理的で積極的に新しい治療薬、治療処方を探索しつつ 漢方薬剤師として現代治療薬の良いところ、漢方薬の多様でファージーなところを 踏まえ、過去様々な患者さんの応対、状況把握を通じて、患者さんに何が最適なのか? 早期回復には何が必要なのか?
その組合せなどをアドバイスし、処方しています。
 

■趣味

自分の漢方薬剤師として患者さんや社会貢献をし続ける、また一度きりの人生ですので、自分のパフォーマンスを発揮する上で、健康回復、病気予防、自分の生命エネルギー向上させることが趣味です。世間で言われている難病など難しい病気の漢方処方を組み立てるのも趣味です。
ビジネスや歴史の本、哲学書や人生訓、経営学の書籍などを読むことが好きで、移動中はもっぱら本を読む時間にあてています。
祖父、曽祖父が陸軍薬剤官として出征していたので、その血を受け継いだと思いますが、 東北大震災で活躍した自衛隊を見て、自分で国家緊急時には何かできないかと思い、予備自衛官になりました。自衛隊と将棋も趣味です。

 

■尊敬する人

ご先祖。漢方の大家として中神琴渓、老子、楠正成、孫子、山田長政など

 

■性格の自己分析

明るく、快活、プラス発想で、思い立ったらすぐ実行するタイプです。その一方で理論的、分析家で、対処法を組み立て困難があっても挑戦していきます。
まず直観力があるので、結論から言葉を始める癖があり、一般の人には理解されにくいことがあります。スタッフや嫁さんより、「あなたは宇宙人みたい。」と言われたことも多々あり。
お客さまから「あなたのお薬で本当に良くなった。」「本当に中尾さんの言うとおりになった。」「中尾さんが本当に患者さんのことを考えて、親切にしてくれるから感謝している。」など良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
自然を愛し、やさしい性格から、人の上に立つ人間で、経営者であり、 医療人としての人生を全うしようと考えています。
 

■お客様と話していて、どんな瞬間がうれしい?

お客さまから 「あなたのお薬で良くなったよ。」  
「中尾さんが本当に親切にしてくれるから感謝している。」 など
良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
 

■和漢方について

我が薬局の家訓に「応病施薬、臨機応変」とあります。『病気に応じて、臨機応変に最適の薬を施す。』これが私たち榎屋相談薬舗株式会社の原点です。 私はいわゆる今の漢方薬については少し問題点があると考えています。 漢方の処方は四千~何百年前という長い時間と挑戦を経て、出来てきました。
しかしその時代の原産地である大陸の風土と生薬成分。現代日本人の食生活、体力、免疫力、体質、生活習慣があまりにも違いすぎると思われ、その古来の大陸の処方でいいのか?という疑問があります。
また弊社に問い合わせに来られる方はさまざまな病院の治療薬を飲んでいます。その場合は体質が変化し、証が壊れます。そのため治る力が低下している現代人は、漢方薬が効きにくくなっているのも事実です。
だからこそ、そのマイナス要素を考えて現代日本人に合う処方を組み立てていかなくてはいけないと思っています。私たちは漢方処方というだけでなく、生薬や動物生薬、食品材料などを組み合わせた最良の組合せの処方を考えていく事に気を配っています。 日本人による、日本人に最適な漢方を。
それが和漢方という考え方です。

 

 

■弊社にお問い合わせくださるお客様へ

榎屋相談薬舗は、創業明治40年 私で4代目の老舗です。
初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
患者様に、現在の病院での治療経過を踏まえた上での最適解、最適なご提案をさせて頂いています。 弊社スタッフも成長し、まだ若いですが、しっかり人間的成長もしています。 どうぞご安心してお問い合わせください。 全国から多数のご相談を頂きますのでお待たせすることもあります。 そのため、必ずご予約をお願いいたします。
 

■私の研究者としての実績

1)大学院時代 βカルボリン誘導体の不斉合成法
Asymmetric Syntheses of 1-Alkyltetrahydro-.BETA.-carbolines and a 9-Thio Analogue.
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN. 1991, 39(12):3338-3340
 
2)吉富製薬(株)東京研究所時代 免疫抑制剤FTY720の創薬 
・Synthesis and Immunosuppressive Activity of 2-Substituted 2-Aminopropane-1,3-diols and 2-
Aminoethanols1,2
J. Med. Chem., 2000, 43 (15), pp 2946–2961
3)DESIGN, SYNTHESIS, AND STRUCTURE-
ACTIVITYRELATIONSHIPS OF  2-SUBSTITUTED-2-AMINO-1,3-PROPANEDIOLS: DISCOVERY OF  A NOVEL IMMUNOSUPPRESSANT, FTY720.
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
 
この私が初めて作り出した化合物FTY720(Fingolimod)が田辺三菱製薬(株)より、ノバルティス社に導出され、全世界80か国、難病多発性硬化症患者さん9万人以上が使用しています。 医薬品名(イムセラ / ジレニア)
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html
(FTY720の構造式)
 
※上記の件で田辺三菱製薬(株)より、実績報奨対象となりました。
 

■獲得した特許

1)抗マラセチア剤
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
2)経口投与生成物
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
 

■今後の研究活動への想い

私は創薬研究者上がりの漢方薬剤師です。 現在の医療には様々な問題があると感じています。 その問題の解決法の一端を今後も研究者の目、漢方薬剤師として患者さんと日夜対応している現場の目、製品を作り出すメーカーとしての目、医師や研究者、スタッフと一緒に活動していくマネージャー、経営者としての目で、よりよい品質と効果を出せるものを今後作り出す予定です。
 現在、私が考えた「榎屋さんの和漢さぷり」シリーズを企画検討中です。
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
 

■薬剤師免許書

 
 

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

 

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」

 
今後とも温かい目でご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

 
 

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