多発性神経症症・ギランバレー症候群の原因と対策、漢方薬などでの治療法
糖尿病だけでなく、原因が不明の多発性神経症炎・ギランバレー症候群などの神経症について
原因と対策、予防法、漢方薬などでの改善法を漢方薬剤師が解説します。

◆多発性神経症炎・ギランバレー症候群とは
多発性神経炎とは体中のいろいろなところで同時に末梢(まっしょう)神経に異常が起こっている状態を指します。
神経の異常には感覚と筋力のどちらかあるいは両方に障害がでる場合があります。また、突然始まる急性多発性神経炎と数か月から数年かけて少しずつ障害が悪くなってくる慢性多発性神経炎の二つがあります。
ウイルスなどの感染症、毒性物質、薬剤、がん、栄養不良、その他の病気が原因になって発症することがあります。有名なギランバレー症候群はウイルスや細菌などの感染で免疫系が刺激されることが原因で、自分の末梢神経組織を免疫が攻撃してしまうことが原因と考えられています。
多発性神経症を発症した場合には、特に高齢者の場合に眠れなくなる、外出することがおっくうになるなどから認知症や寝たきりを招く可能性があるので注意が必要です。

◆多発性神経症の原因
急性多発性神経症は原因が分かるものが多くあります。
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・感染症:最近の出す毒素が神経に障害をもたらす。(ジフテリアなど)
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・自己免疫疾患(ギランバレー症候群など))
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・薬物、毒物中毒
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・がん:がんが神経へ直接浸潤したり、圧迫したりことによって障害が出る。
慢性多発性神経障害は主に以下の原因で起こる場合がありますが、原因が不明のものもたくさんあります。
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・糖尿病 特に眼や太ももの筋力低下がある場合には、糖尿病を疑います。
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・過度の飲酒 アルコールが直接神経障害を起こす場合もありますが、過度の飲酒が原因で栄養不良になる場合が多くなります。
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・ビタミンB12欠乏症:悪性貧血を伴うことがあります。
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・甲状腺の働きが不十分になっているとき
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・重金属の長期摂取(イタイイタイ病などの公害)
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・腎不全
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・ビタミンB6の過剰摂取
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・遺伝性の多発性神経障害:遺伝性ニューロパチー

◆多発性神経症の予防
急性多発性神経障害に関しては、原因に近づかないことが一番です。特にジフテリアなどの感染症は国内ではまれですが、海外などでジフテリアが流行しているところに行く場合にはワクチンを接種するなどの予防処置をきちんと取ることが大事になります。
慢性多発性神経症では、原因となる疾患が進行しないようにすることが大切です。
多発性神経症の原因となる病気で一番多いのは糖尿病です。糖尿病の場合には、健康診断などで血糖値やヘモグロビンA1cが高いと指摘されたときに食生活を改善し、運動することによって多発性神経症を予防することができます。
過度の飲酒による栄養不良やビタミンB12の不足には普段の食生活に気を遣うことによって、発症を抑えることができます。
ビタミンB6は皮膚のタンパク質合成の時に必要な働きをします。腸内細菌叢でもつくられることが知られています。ビタミンB6作用をもつピリドキシン(ビタミンB6としてサプリメントに含まれています)を過剰に取ると多発性神経症を起こすことが知られています。皮膚の美容のためのサプリメントを多用するときには成分がピリドキシンであるかどうかを確認する必要があります。

◆漢方による多発性神経症の改善
急性多発性神経炎の場合には原因を取り除く必要があるので、その原因のダメージを最小限にするように原因に対しての漢方薬を鳥れるほうがいいでしょう、 特に慢性多発性神経症は糖尿病の合併症としてでる場合が多いですが、必ずしも原因が明らかにならないものもあります。その場合には糖尿病を改善するような漢方薬がいいでしょう、
神経炎の場合は炎症なので、抗炎症系の漢方も良く、その他、血液の循環を促進することによって、慢性多発性神経症の症状をやわらげるものがあります。この漢方の場合には冷えのある人とない人で処方が変わります。
腎虚を改善することによってしびれや痛みを改善する漢方薬もあります。これは体内の余分な水分を排出し、滋養強壮作用によって改善しますが、尿の出具合で種類を調節する必要があります。
いずれにしても、原因を除き、神経細胞の炎症を鎮め、神経を復活させるような栄養療法と漢方薬での治療がお勧めです。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
■経歴
■担当
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■性格の自己分析
■お客様と話していて、どんな瞬間がうれしい?
「中尾さんが本当に親切にしてくれるから感謝している。」 など
良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
■和漢方について
■弊社にお問い合わせくださるお客様へ
初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
患者様に、現在の病院での治療経過を踏まえた上での最適解、最適なご提案をさせて頂いています。 弊社スタッフも成長し、まだ若いですが、しっかり人間的成長もしています。 どうぞご安心してお問い合わせください。 全国から多数のご相談を頂きますのでお待たせすることもあります。 そのため、必ずご予約をお願いいたします。
■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
