肝炎や肝臓病からの黄疸の漢方薬での治療方針
アルコール性肝炎、肝炎や肝硬変、肝臓癌、胆道癌から来る黄疸の原因や対策、
漢方薬での対策法を漢方薬剤師が解説します。

◆黄疸とは
赤血球が寿命を終えると、赤血球中の酸素運搬に重要な役割を果たしているヘモグロビンはビリルビンに分解されます。ビリルビンは肝臓から胆汁として、十二指腸に排泄されます。そして腸内細菌によって、ウロビリノーゲンになります。
ビリルビンが何らかの原因で血中にたまると、皮膚や粘膜が黄色になります。これが黄疸という症状です。

◆黄疸の原因
黄疸の原因は血中のビリルビンが高くなることによって生じますが、ビリルビンの血中濃度が高くなるのにはいろいろあります。
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ビリルビンの産生が多くなって処理が追いつかない
赤血球が壊れやすくなっている状態(溶血)が起こっている場合。溶血性貧血の症状の一つです。 -
肝臓へのビリルビン取り込みの減少
心不全で血液の流れが悪くなり、結果として血中のビリルビンが増えます。
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肝臓機能障害
肝臓の機能が低下して、ビリルビンの排泄できない場合に発生します。肝硬変や肝臓癌、胆道癌、アルコール性肝炎などが主な病気ですが、薬物の副作用の場合もあります。
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胆汁の流れが悪い
ウイルスによって肝臓内にビリルビンがたまり、それが血液にでてくる場合があります。ウイルス性肝炎に伴う黄疸ですが、薬剤で治療が可能です。
結石や腫瘍などで胆汁の排泄路が詰まった場合には手術が必要になります。
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体質的にビリルビンの値が高い人。
他の黄疸では全身倦怠感などの症状がでる場合があります。一部の酵素の働きが少し弱いだけの場合には疲れたときなどで黄疸が出る場合は治療せず観察するだけの場合がありますが、新生児で黄疸が見られている場合には治療が必要になります。

◆黄疸になった時の対策
実際の黄疸は、白目の部分が黄色くなることでお医者さんは診断します。そのご黄疸がどのような病気によって生じているのかを突き止めることが必要になります。
溶血性貧血や薬物性の黄疸ではすぐに治療が必要になります。そのため原因疾患をしっかり調べて治療する必要があります。
C型肝炎の場合には体の免疫の調子によっては黄疸だけで止まります。現在はC型肝炎に対するよいお薬ができていますので、治療が必要な場合は積極的に治療することになります。

◆黄疸治療の漢方薬
体力を充実させ、炎症を取り、肋骨下部の張り(肝臓の機能)を取ることによって黄疸を取る茵蔯蒿湯という漢方薬もあります。この漢方薬は冷えの強い人や体の虚弱な人には勧められません。そのため肝硬変、アルコール性肝炎などが原因の場合は肝機能を改善する漢方(田七人参、牡蠣エキス、紅参)などや、肝臓癌、胆道癌などの場合は白花蛇舌草・半枝蓮などの生薬が有用です。貧血由来の場合はそういう物に対処する漢方薬で治療を検討されてください。いずれにしても検査の上、そのことを漢方薬剤師などの専門家に相談されることをお勧めします。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
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■担当
■自己紹介
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■性格の自己分析
■お客様と話していて、どんな瞬間がうれしい?
「中尾さんが本当に親切にしてくれるから感謝している。」 など
良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
■和漢方について
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初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
患者様に、現在の病院での治療経過を踏まえた上での最適解、最適なご提案をさせて頂いています。 弊社スタッフも成長し、まだ若いですが、しっかり人間的成長もしています。 どうぞご安心してお問い合わせください。 全国から多数のご相談を頂きますのでお待たせすることもあります。 そのため、必ずご予約をお願いいたします。
■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
