肝硬変などによる肝性脳症の原因と対策、漢方薬などでの治療法
肝硬変などによる肝性脳症の原因と対策、肝性脳症の予防法、
漢方薬などでの改善法を漢方薬剤師が解説します。

◆肝硬変による肝性脳症とは
肝性脳症とは、そもそもタンパク質の分解で作られ、肝臓で尿素に分解されるべきアンモニアの血中濃度が上昇して、脳の機能に影響を与える状態を指します。肝硬変や劇症肝炎などでは、血液中に多くのアンモニアが残り、意識障害となる場合があります。
かつては肝性脳症と肝硬変などが重度になって昏睡状態になってしまうことを指していましたが、現在は自覚症状がなくても肝性脳症を起こしている場合があることが分かってきています。 やはり肝臓機能を大事にする必要があるでしょう。

◆肝性脳症の昏睡度
肝性脳症は昏睡度ⅠからⅤまでに分類されています。
肝性脳症昏睡度Ⅰ
- 朝型であった人が夜型になるまたはその逆(睡眠覚醒状況の逆転)、
- 幸福感が何もないのに感じる。
- しっかり性格の人がだらしなくなる。
肝性脳症昏睡度Ⅱ
- 自分のいる場所や今の時間が分からなくなる(見当識異常)
- ものを取り違える
- お金をばらまく、まだ使えるものをゴミ箱に捨てるような異常行動
- 眠っているようだが、普通の呼びかけで目を覚まし、普通の会話が可能
- 医師の指導に従える
- 腕を伸ばしたり、手を広げたりすると不規則な震えが起こる(羽ばたき振戦)
肝性脳症昏睡度Ⅲ
- 興奮状態や意識混濁、幻覚などを見るようになり、医師の指示に従わない
- ほとんど眠っている
- 眠っていると、外的刺激で目は開くが会話ができない
- 羽ばたき振戦
肝性脳症昏睡度Ⅳ
- 意識がなくなっている
- 痛刺激には反応する
肝性脳症昏睡度Ⅴ
- 深い昏睡
- 痛刺激に反応しない。
肝臓の病気を持っている人の場合には上記の症状がでた場合には肝性脳症を一番に疑います。
肝臓の病気は初期には無症状であり、先に肝性昏睡の症状がでた場合にはアルツハイマー型の認知症や躁病に似ています。これ医者の場合にはアルツハイマー病と勘違いされる場合がありますが、肝性脳症の初期の場合には血中のアンモニア濃度を下げることで症状が劇的に改善することがあるので、先に内科を受診することをお勧めします。

◆肝性脳症には予防がポイント
C型肝炎は今や経口薬で完治できる病気になっていることから、可能であれば治療しておきましょう。
一番の問題は肝硬変です。いろいろな肝炎から進行したものやアルコール過剰摂取によるもの、アルコールとは関係なく肝臓に脂肪がたまること等が原因になります。
アルコールはアルコール中毒にならない程度であれば問題ないという説もありますが、止めるにこしたことはありません。
いわゆる隠れ肥満とよばれる内臓脂肪による肝不全も日本人では少なくありません。内臓脂肪は運動によって、皮下脂肪よりも簡単に落ちるので、運動を心がけることが大事です。
便秘によって腸内細菌がアンモニアを生成してそれが腸内で吸収されることから高アンモニア血症を引き起こす場合もあるので、便秘をしている人は定期的に治療を受けることが推奨されています。

◆肝硬変などの肝臓病、肝性脳症と漢方薬
肝性昏睡レベルⅣからⅤに達してしまうと漢方薬や現代医学でも完治することは難しくなります。
漢方薬には肝臓の機能を高めるものがあります。肝腎は重要と意味で使われているように肝臓の弱まりにたいしてさまざまなものが効果をもつ事が分かっています。
内臓脂肪を取るために漢方の一部をサプリメントとして販売されていますが、これも漢方の特徴である患者さんの体質を見極めて処方を行うことを無視しているので、脂肪肝と判断されている人はきちんと治療することが大切でサプリメントに頼りすぎないことが大事です。
肝機能の回復や、肝硬変の悪化予防にも肝臓の漢方に詳しい、専門家に尋ねることが重要でしょう。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
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良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
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■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
