胃酸過多症の漢方薬での治療方針と対処法、漢方薬による改善法
逆流する胃酸過多にはファモチジンなどの胃酸抑制の胃腸薬が使われますが慢性的な胃酸過多、胃痛、胸やけなどの症状には漢方薬での根本治療を漢方薬剤師としてお勧めします。

◆胃酸の働きと胃酸過多症
胃酸は、強い酸性であり、食物の消化を助けたり、食事と共に入ってきた細菌を強い酸で殺したりする、重要な働きを担っています。
しかし、何らかの原因で胃酸が多く分泌されたり、本来は胃酸がそれほど必要ではない時間帯(胃の中に食物が入っていない時)に分泌されたりすることで、様々な弊害が起こることがあり、このような状態を胃酸過多症と呼んでいます。
なお、余談ですが、胃酸は強力な殺菌力を持つため、本の少し前までは胃酸が沢山ある胃の中に細菌が定着することは不可能だと考えられていました。しかし、現在では皆さんがご存知のようにピロリ菌は胃の中に住んでいて、胃がんの原因になったりしますね。ピロリ菌はアンモニアを産生して胃酸を中和する事で、胃の中に住むことができるのです。

◆胃酸過多症の症状
胸やけ、胃もたれ、胃の痛み、げっぷ、胃痛、胃潰瘍といった症状の他に、胃酸が食道や口まで逆流してくることで口臭の症状や食道炎、喉への刺激で空咳が現れることもあります。

◆胃酸過多症の原因
・食事
暴飲暴食を繰り返す食生活を続けていますと胃酸過多になることがあります。
大量の飲食物の消化には時間がかかりますので、胃の中に長い時間未消化の食べ物が滞在することになり、そうすると消化のために胃酸が多く長時間に渡って分泌されるようになります。これが習慣化すると、身体がその環境に適応して、胃酸が多く長く分泌されるようになります。
また、アルコール、コーヒー、香辛料といった刺激物は胃酸の分泌を促しますので過度な摂取を長期間続けると胃酸が多く分泌され胃酸過多になる可能性があります。
・ストレス
胃はストレスに反応しやすい臓器です。ストレスを感じると交感神経が活性化されますが、そうすると対になっている副交感神経も活性化され、副交感神経の働きが活発になりますと、胃酸の分泌が促され胃酸過多になります。
・高ガストリン血症
ガストリンはホルモンの一種で胃酸分泌を促します。上でも述べましたが、ピロリ菌は胃酸を中和するためにアンモニアを産生します。そうするとアンモニアに対抗するためにガストリンが分泌され、その結果胃酸分泌が促進されます。

◆胃酸過多症の治療と予防と胃がんのリスク
ストレスをためない、食生活を改善する、ということが基本になります。
病院で薬を処方してもらうことも可能です。胃薬には働きにより数種類に分けられますが、胃酸分泌を抑えるタイプの胃薬(H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬PPI)は即効性が期待できます。そのためファモチジン、ランソプラゾール、オメプラゾールなどの成分がよく使われます。しかしながら最近これらの長期服用により反対に胃がんのリスクが増えてくると指摘されるとの報告もあります。
https://www.cancerit.jp/57885.html

◆胃酸過多症と漢方薬
胃酸過多の漢方の治療の場合はストレスに対する半夏瀉心湯を代表とする半夏剤の漢方薬もあります。
また安中散を代表とする過剰な胃酸を中和しながら意を元気にしていく漢方薬もあります。その他胃を元気にしてストレスを跳ね返すようになれる薬用人参を主成分とした漢方薬もあります。自身の体質にあった漢方薬を処方してもらうことで胃酸過多症が改善していきます。その際は胃酸過多症に詳しい漢方薬剤師などの専門家に尋ねるといいです。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
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良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
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初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
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■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
