びまん性間質性肺炎の原因と対策、漢方薬などでの治療法
びまん性間質性肺炎の原因と対策
間質性肺炎の漢方薬などでの改善法を漢方薬剤師が解説します。

◆びまん性間質性肺炎とは
気管支は肺の中で枝分かれを繰り返しており、その先端は小さな袋状の小部屋がブドウの房のように集まっています。この袋状の小部屋を、肺胞といい、肺胞の細胞と毛細血管を通して酸素と二酸化炭素のガス交換が行われています。
この肺胞の膜に炎症や損傷が起こると、膜が厚く、硬くなり繊維化していきます。すると、肺胞は小さくなり、硬く膨らまず、酸素を取り込みにくくなります。この病態を間質性肺炎といいます。
間質性肺炎による肺の炎症や繊維化は、左右の肺に均等に起こるためびまん性肺疾患と呼ばれます。一方で、細菌による肺炎など片方の肺にのみ病変が起こる場合は、限局性肺疾患と呼ばれます。症状は息切れと咳が主です。

◆びまん性間質性肺炎の原因
間質性肺炎の原因は様々ですが、はっきりと原因が分かっているものに、膠原病に合併して起こるものや、薬の副作用である薬剤性のもの、粉塵の吸入によるものがあります。
しかし、ほとんどの間質性肺炎は、はっきりとした原因を特定することができず、特発性間質性肺炎と呼ばれます。原因は不明ですが、複数の原因遺伝子異常と、環境因子が影響している可能性が考えられています。
また、有病者の多くは喫煙者であるため、喫煙は間質性肺炎を引き起こす原因のひとつであると考えられています。然しながら末期がん患者さんも間質性肺炎が多いように、免疫機能低下による感染症を疑う事も重要です。

◆びまん性間質性肺炎で気をつけること
間質性肺炎は、徐々に肺の繊維化が進行していき、呼吸困難や呼吸不全を引き起こします。慢性の間質性肺炎では、ゆっくりと呼吸不全が進行し、症状が出始めてから4年半で約半数が死亡するといわれています。また、急性間質性肺炎はもっとも予後が悪く、発症後、数日から数週間で呼吸困難が増悪、呼吸不全に至ります。
そのため、間質性肺炎と診断されると、早急に適切な治療が必要です。治療には、肺の繊維化を抑える抗繊維化薬を服用します。また、ステロイドや免疫抑制剤も有効となります。
間質性肺炎の特徴的な症状は、痰が絡まない乾いた咳や、軽い運動時の息切れです。
気になる症状があれば受診し、血液検査や胸部X線検査、気管支鏡検査や肺機能検査を行い、間質性肺炎の診断を行う必要があります。

◆びまん性間質性肺炎と漢方薬
漢方では、間質性肺炎は、肺の気や免疫力が不足している状態であると考えます。そのため、肺の気を充実させたり、免疫力を向上させる漢方薬が間質性肺炎の症状を抑えるのに効果的となります。
乾いた咳や息切れ、呼吸困難などの症状がある場合、肺の気を補い、症状を改善する咳止め的な漢方薬が使用できます。
ほてりがあり汗をかきやすい場合には、肺の気を高めるほか、汗腺の機能を整え適切な体温調節を行うことで、抵抗力を高める漢方もあります。また、ひどい咳が続く場合は、肺の熱を鎮め、咳を抑える漢方薬も効果があります。
間質性肺炎用の漢方薬は様々な状況に応じて組み合わせたり使いますので漢方薬に詳しい漢方薬剤師など専門家に尋ねるといいと思います。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
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■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
