味がない。味覚異常の説明と漢方薬での対策に関する解説
味がない。味を感じない。舌がおかしいなどの味覚障害の原因と漢方薬での対策について漢方薬剤師が解説します。

◆味覚障害の種類
せっかくの食事でも味がしなければ、楽しみも半減どころか苦痛に感じる事もあるでしょう。
味がしないというのは、医学的には味覚減退や無味覚といいます。味覚障害=味覚減退と思っている方も多いのですが、実は味覚障害には他にも種類があります。
味覚減退(無味覚)の他には、異味覚(変な味がする、口の中が常に苦い)、解離性味覚障害(特定の味だけが分からなくなる。甘味が分からなくなる事が多い)、などがあります。

◆味を感じるしくみ
舌の表面(舌乳頭)、軟口蓋、咽頭には味蕾(みらい)という味覚受容器が存在します。
味蕾が味覚を感じると、神経を通じて脳に刺激が届けられます。これらのどこかに障害が起こると味覚障害が生じます。味覚受容体が壊れているもしくはその神経伝達物質が不足しているなどが考えられます。

◆味覚障害の原因
・加齢
歳をとると、生理的に舌表面の舌乳頭という部分が委縮しそこに含まれている味蕾の数が減少します。
・唾液分泌の低下
加齢やシェーグレン症候群で唾液分泌が低下します。口腔乾燥症などで結構悩まれている方は多いです。
・亜鉛不足
偏った食生活で亜鉛が不足すると味覚障害や嗅覚障害が生じることがあります。
亜鉛は牡蠣などの貝類や、海藻類に多く含まれます。
・薬の副作用
薬の副作用で味覚障害が起こることがあります。新しい薬を飲み始めてから味覚障害が出現した場合は主治医にその旨を伝えましょう。肝機能の影響もあると思われます。
・医療行為にともなうもの
抗がん剤や放射線治療により舌乳頭が委縮することがあります。
そのために抗がん剤や放射線などの副作用対策も重要ですね。
・口腔内や舌の状態の変化
・口腔カンジダ
口の中にカビが生えることがあります。ステロイドの内服や吸入をしている方に起こる事があります。
・舌苔
舌の表面に白い苔のようなものが厚くなると味覚障害が生じることがあります。
・ドライマウス
・歯周病
・病気が原因のもの
・貧血
・糖尿病
・脳腫瘍、脳梗塞、脳出血
・うつ病

◆味覚障害と漢方
まずは、味覚障害の原因として重大な病気が隠れていないか病院で検査をしましょう。
特に原因がなかった場合は、漢方薬を処方してもらうことで症状が改善する場合があります。
胃腸の状態が悪いと、げっぷや胃酸の逆流で口腔内の環境が常に悪い状態になってしまいます。それを改善するのに胃腸の調子を整える漢方薬や、口腔内が常に乾燥している人には粘膜を潤す働きのある漢方薬が効果があることがあります。
それとともに、亜鉛の補給や、肝機能を向上させるような漢方薬なども重要です。
なかなか味がわからないなどの味覚障害の場合は、味覚障害に詳しい漢方薬剤師などの専門家にお尋ねください。

中尾 典義(なかお のりよし)
榎屋相談薬舗 株式会社 代表取締役
(社) 日本漢方連盟 漢方委員
資格:薬剤師
担当:がんや免疫疾患、なかなか回復困難と言われた様々な病気に対応します。
1968年福岡県行橋市生
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
元吉富製薬㈱東京研究所にて免疫抑制剤の研究(現田辺三菱製薬)研究所を退職後、漢方を心座右。
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中尾 典義(なかお のりよし)
■経歴
■担当
■自己紹介
■趣味
■尊敬する人
■性格の自己分析
■お客様と話していて、どんな瞬間がうれしい?
「中尾さんが本当に親切にしてくれるから感謝している。」 など
良い結果や信頼のお言葉を頂けることが、医療人、薬剤師として嬉しく思います。
■和漢方について
■弊社にお問い合わせくださるお客様へ
初代からの「応病施薬 臨機応変」の家訓を元に、私どもを頼ってくださる
患者様に、現在の病院での治療経過を踏まえた上での最適解、最適なご提案をさせて頂いています。 弊社スタッフも成長し、まだ若いですが、しっかり人間的成長もしています。 どうぞご安心してお問い合わせください。 全国から多数のご相談を頂きますのでお待たせすることもあります。 そのため、必ずご予約をお願いいたします。
■私の研究者としての実績
https://www.chem.wisc.edu/deptfiles/chem343-gellman/F13_LecNotes/Fingolimod%20discovery.pdf
https://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=https://sodando.jp/ir/kojin/future/imu.html

■獲得した特許
(日和見感染症やマラセチア感染などの真菌感染症の治療、予防のための製品の提供)
(天然由来の生薬を含有し、循環器機能を向上させながら皮膚状態を改善することができる経口投与組成物を提供する。)
■今後の研究活動への想い
皆様の健康回復にお役に立てることを願っています。
■薬剤師免許書

■雑誌「統合医療で癌に克つ」に掲載されました。

■私のブログ「日本の社長をもっと元気にする漢方薬剤師」
